失業手当はいくらもらえる?仕組み・条件・計算方法を完全解説【2026年版】
「会社を辞めたら、失業手当ってどのくらいもらえるんだろう」
退職を考え始めたとき、最初に気になるのがこのお金の話ではないでしょうか。生活費の見通しが立たないまま辞めるのは不安ですし、逆に「思っていたよりもらえる」とわかれば、行動に踏み出しやすくなります。
この記事では、失業手当(正式名称:雇用保険の基本手当)について、仕組み・受給条件・金額の計算方法・申請の流れまで、2026年時点の情報をもとに整理しました。退職前に必ず押さえておきたい知識です。
失業手当とは何か
失業手当は、正式には「雇用保険の基本手当」と呼ばれる、国の制度です。
働いている間、給与から「雇用保険料」が天引きされています。これは将来、仕事を失ったときの生活を一定期間支えるための積立のような仕組みです。失業手当は、この積立から支給されます。
つまり、失業手当は「給付金」ではなく「自分が払ってきた保険料の還元」という性質のもの。受け取る権利があるなら、遠慮なく活用すべきです。
もらえる人・もらえない人
失業手当を受け取るには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
受給の3条件
①雇用保険に加入していた期間が一定以上ある
- 自己都合退職の場合:離職日以前2年間に、雇用保険加入期間が通算12ヶ月以上
- 会社都合退職の場合:離職日以前1年間に、雇用保険加入期間が通算6ヶ月以上
②働く意思と能力がある
病気や怪我ですぐに働けない状態だと、原則として失業手当はもらえません(傷病手当への切り替えが必要)。
③積極的に求職活動をしている
ハローワークでの求職活動が実質的な条件です。ただ家にいるだけでは支給されません。
もらえないケース
以下に該当する人は、失業手当の対象外です。
- 退職後すぐに次の会社に就職する人
- 自営業を始める人
- 学業に専念する人
- 妊娠・出産・育児ですぐに働けない人(受給期間の延長手続きで対応可能)
- 病気・怪我で長期療養が必要な人(受給期間の延長手続きで対応可能)
「すぐに働けない」状態の方は、受給期間の延長申請をハローワークで行うことで、最大4年まで受給開始を遅らせることができます。これを知らずに失業手当を諦めてしまう人が多いので注意してください。
いくらもらえる?基本手当日額の計算
ここが最も気になるところですね。失業手当の1日あたりの支給額(基本手当日額)は、退職前6ヶ月の給与をもとに計算されます。
計算式の概要
- 退職前6ヶ月の給与合計(賞与は除く)÷ 180 = 賃金日額
- 賃金日額 × 給付率(50〜80%)= 基本手当日額
給付率の仕組み
給付率は、賃金日額の高さで変わります。賃金が低い人ほど給付率が高くなる仕組みです。
| 賃金日額 | 給付率の目安 |
|---|---|
| 約2,800円以下 | 80% |
| 約2,800円〜約12,000円 | 80%〜50%(段階的に変動) |
| 約12,000円以上 | 50% |
具体例で見てみる
例1:月給25万円の方が自己都合退職する場合
- 退職前6ヶ月の給与合計:150万円
- 賃金日額:150万円 ÷ 180 = 約8,333円
- 給付率:約60%
- 基本手当日額:約5,000円
1ヶ月(28日換算)でおよそ14万円程度の支給になります。
例2:月給40万円の方が会社都合退職する場合
- 退職前6ヶ月の給与合計:240万円
- 賃金日額:240万円 ÷ 180 = 約13,333円
- 給付率:50%
- 基本手当日額:上限額に達するため約7,200円前後
賃金が高くても、基本手当日額には上限があるため、想像より少ない金額になります。
基本手当日額の上限額(2026年現在の目安)
年齢により上限が異なります。
- 30歳未満:約7,000円
- 30〜45歳未満:約7,800円
- 45〜60歳未満:約8,600円
- 60〜65歳未満:約7,400円
「高給取りだから100万円くらい入る」と思っていた方は、ここで現実とのギャップを認識しておきましょう。
いつからいつまでもらえる?
ここが自己都合と会社都合で大きく違うポイントです。
自己都合退職の場合
- 離職票がハローワークに提出される
- 7日間の待機期間(この間は無支給)
- 2〜3ヶ月の給付制限(この間も無支給)
- その後、給付開始
- 給付期間:90日〜150日
つまり、自己都合退職の場合、実際にお金が入ってくるまで約3ヶ月かかるということです。
会社都合退職の場合
- 離職票がハローワークに提出される
- 7日間の待機期間(この間は無支給)
- 待機期間後、すぐに給付開始
- 給付期間:90日〜330日
会社都合の場合、待機期間の7日後から給付が始まるため、生活への影響が小さくなります。
給付日数の決まり方
給付日数は、雇用保険加入期間、退職時の年齢、退職理由によって変わります。
| 雇用保険加入年数 | 自己都合 | 会社都合 (45歳未満) | 会社都合 (45〜60歳) |
|---|---|---|---|
| 1年未満 | 90日 | 90日 | 180日 |
| 5〜10年 | 90日 | 180日 | 240日 |
| 10〜20年 | 120日 | 210日 | 270日 |
| 20年以上 | 150日 | 240日 | 330日 |
自己都合と会社都合で何が違う?
ここまで何度も「自己都合」「会社都合」と出てきましたが、これは失業手当において最も大きな分岐点です。
違いをまとめると
| 項目 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 給付開始まで | 約2〜3ヶ月後 | 約7日後 |
| 給付日数 | 短い(最大150日) | 長い(最大330日) |
| 国民健康保険の軽減 | なし | あり |
「実は会社都合扱いになる」ケース
「自己都合で辞めるつもりだったけど、実は会社都合になる」というケースは意外に多いです。
代表的な例:
- 賃金未払い、給与減額があった
- 残業時間が法律の上限を超えていた
- パワハラ・セクハラを受けていた
- 突然の配置転換・転勤を命じられた
- 会社が倒産・事業所閉鎖した
これらに該当する場合、「特定受給資格者」または「特定理由離職者」として、会社都合と同等の扱いを受けられます。
ハローワークで離職票を提出する際、自分の退職理由を詳しく相談してみてください。「自己都合」と書かれていても、実態が違えば変更してもらえる可能性があります。
申請の流れ
実際の申請手続きを簡単にご紹介します。
必要書類
会社から渡される、または自分で用意するもの:
- 雇用保険被保険者離職票(1・2)
- 雇用保険被保険者証
- 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカード等)
- 印鑑
- 写真2枚(縦3cm×横2.4cm)
- 本人名義の預金通帳
手続きの流れ
- 退職後、会社から離職票を受け取る(通常2週間以内に郵送される)
- 住所地を管轄するハローワークに行く
- 求職申込みを行う
- 離職票を提出し、受給資格の確認を受ける
- 雇用保険受給者初回説明会に参加(指定日時)
- 失業認定日にハローワークを訪問(4週に1度)
- 指定口座に振込
最初の振込までは、自己都合で3ヶ月、会社都合で約1ヶ月かかります。
よくある誤解と注意点
最後に、勘違いしやすいポイントをまとめます。
誤解①「会社を辞めたら自動的にもらえる」
→ 違います。ハローワークでの申請手続きが必須です。
誤解②「働きながらでももらえる」
→ 原則として、失業手当の受給中はアルバイト等を含めて働くことに制限があります。違反すると不正受給扱いになります(罰則あり)。
誤解③「もらった分は確定申告で税金がかかる」
→ かかりません。失業手当は非課税です。
誤解④「次の会社が決まったらもらえない」
→ 早く再就職した場合は、未支給分の一部が「再就職手当」として一括支給されます。早く決まっても損はしません。
誤解⑤「会社が手続きをしてくれる」
→ 会社の役割は「離職票を発行する」ことだけ。ハローワークでの申請手続きは自分で行います。
まとめ
失業手当の仕組みを整理しました。
- もらえる人:雇用保険加入12ヶ月以上、働く意思あり、求職活動中
- 金額:賃金日額 × 給付率(50〜80%)= 基本手当日額
- 期間:自己都合 90〜150日 / 会社都合 90〜330日
- 重要ポイント:自己都合と会社都合では支給タイミングと総額が大きく違う
退職を考えている方は、まず自分の場合の概算を立ててみてください。「思ったよりもらえる」とわかれば、心理的な負担も軽くなるはずです。
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